食トレンド大賞2018

クックパッド株式会社は、2018年「食トレンド大賞」を選出しました。今回のトレンドは、クックパッドの検索データ分析ツール「たべみる」 (※1) や「クックパッドニュース」のアクセス数などのデータをもとに、今年を代表する家庭料理のトレンドキーワードを選出したものです。後半では、クックパッド編集部が予測する2019年の食トレンドもご紹介しています。

【イメージ写真】サバ缶

サバ缶

2018年にもっとも注目を集めたのが「サバ缶」です。昨年、生産量でツナ缶を抜き、今年も売上高を伸ばし続け、いまや缶詰の代表格となりつつあります。そのままでもお酒のおつまみなどにぴったりですが、料理の食材として使用してもかなり優秀で、サバ缶を使った「アクアパッツァ」や「炊き込みご飯」など、さまざまなレシピが話題となりました。おいしさはもちろんですが、調理工程が少なく時短が図れる手軽さや、リーズナブルで家計にも優しいこと、不足しがちと言われる魚を気軽に食べられることなど、多様なライフスタイルのニーズに応える食材として、SNSやテレビ、書籍など幅広い業界を巻き込んだブームとなりました。

【イメージ写真】猛暑対策!夏バテ予防&解消レシピ

猛暑対策!夏バテ予防&解消レシピ

2018年の夏は、東京で観測史上初めて最高気温が40度を超えるなど、日本列島は猛暑に襲われ、健康被害も多く出た異常な暑さとなりました。そんな中で食事から体調管理をしようとする流れが加速し、クックパッドでは「夏バテ解消」というキーワードの検索頻度が6月末から上昇。7月時点で昨年同月比で約46倍となり、レシピ検索状況にも大きな影響がありました。「スタミナ」や「さっぱり」というキーワードや、「ブロック肉」や「そうめん」などの食材との組み合わせ検索が多く見られ、体力回復に役立つレシピが注目されました。

こちらも注目2018年の食トレンド
【イメージ写真】チーズドッグ(チーズハットグ)

チーズドッグ(チーズハットグ)

アメリカンドッグの韓国版である「チーズドッグ(チーズハットグ)」。かじるごとにザクザクと心地良い音が響き、長く伸びるチーズが見た目にも楽しいスナックです。昨年のチーズタッカルビに続き、続々と上陸しては毎回ブームが起こるコリアンフード。家庭でもホットケーキミックスで簡単に作れるので、クックパッドにもたくさんのレシピが投稿されました。クックパッドニュースでも紹介したところ、アクセス数ランキング上位をキープする人気の記事になったほか、SNSやテレビ番組でも取り上げられ、注目が高まりました。

【イメージ写真】悪魔のおにぎり(たぬきにぎり)

悪魔のおにぎり(たぬきにぎり)

天かす、麺つゆ、青のりなどが混ぜ込んであるおにぎりで、その「悪魔的なおいしさ」でどんどん食べてしまうという「悪魔のおにぎり」。TV番組で南極地域観測隊の調理隊員のレシピとして紹介されたことがきっかけとなり、そのキャッチーなネーミングから、SNSでも注目されたほか、大手コンビニエンスストアで商品化されるなど話題を集めました。特別な材料を必要とせず手軽に作れることで多くの人の支持を集め、クックパッドでは納豆やたらこを入れるなど、さらなるアレンジレシピも誕生しました。

【イメージ写真】チョコテリーヌ

チョコテリーヌ

「チョコテリーヌ」とは、テリーヌ型(パウンド型等)にたっぷりチョコレートが入った生地を流し込んで湯せん焼きし、冷やし固めたケーキ。 小麦粉を使わないところがポイントの一つで、生チョコのようにとろける食感が楽しめます。また混ぜて焼くだけという手軽さも注目を集めた理由です。チョコレートのほかに、チーズやホワイトチョコなどを利用したものもあり、バレンタイン時期にレシピ検索頻度が急上昇しました。クックパッドニュースでの掲載をはじめ、メディアで取り上げられたこともあり、人気が高まりました。

【イメージ写真】下味冷凍

下味冷凍

肉や魚、野菜など、素材に調味料を合わせ、保存用ポリ袋などの袋や容器に入れて冷凍保存しておく「下味冷凍」。調理後に保存しておく「作り置き」や「常備菜」は忙しい時のお助けアイテムとして定着していますが、調理前の下処理だけをすませた「下味冷凍」は調理の時短を図ってくれることから重宝されています。2016年頃から注目されていましたが、食材をまとめ買いして無駄なく、賢く活用できる調理方法として、忙しい生活者の心をつかみ、作り置きに次ぐ新たな定番調理として家庭に根付きました。

【イメージ写真】よだれ鶏(口水鶏)

よだれ鶏(口水鶏)

「よだれが出るほどおいしい」と言われる「よだれ鶏」。中国・四川省でよく食べられている中華料理で、香辛料や薬味がたっぷり入った風味豊かな辛いソースが食欲をそそる中華冷菜です。サラダチキンのヒットを機に注目を集めた「鶏むね肉」は昨年に引き続いて人気が高く、クックパッドニュースの年間人気記事ランキングでも上位に「鶏むね肉」レシピの紹介記事が複数ランクインしています。「よだれ鶏」は、リーズナブルな「鶏むね肉」を簡単においしく楽しめる料理の一つとして、料理動画やSNSなどで話題を集めました。

【イメージ写真】梅シロップ(梅仕事の成果物)

梅シロップ(梅仕事の成果物)

旬の梅を梅干しや梅酒に加工する「梅仕事」。昨年の『食トレンド大賞2017』にも選出されており、一部の家庭では初夏を楽しむ手仕事として定着しつつあります。6月頃には、店頭で青梅が保存瓶などのアイテムと共に陳列されたコーナーを目にすることも多くなりました。梅仕事の成果物としては梅干しや梅酒が定番とされてきましたが、今年は特に「梅シロップ」の検索頻度が上昇しました。自家製梅ジュースをはじめ、カキ氷のシロップや料理の調味料、また隠し味にも使える優れものです。

【イメージ写真】五平餅

五平餅

「五平餅」とは、中部地方の山間部に伝わる郷土料理で、粒が残る程度に半つきにした粳米(うるちまい)にタレをつけ、串焼きにしたもの。クックパッドでは、2018年4月以降「五平餅」の検索頻度が顕著に上昇しました。その理由として考えられるのが、朝の連続TVドラマ内で、舞台となっている岐阜を象徴する郷土食として「五平餅」が登場したことです。また、「味噌」や「醤油」のほかに、「くるみ味噌」など、味付けのバリエーションがあり、アレンジの幅が広いことも人気となったポイントです。

【イメージ写真】おからパウダー

おからパウダー

食物繊維をはじめ、大豆イソフラボンや大豆たんぱくなど、栄養満点な「おから」。ただし、生のおからは日持ちせず、扱いにくいのがネックでした。「おからパウダー」は、おからを粉状に乾燥させたもので、保存性が高く、使いやすいのが特長です。「おからパウダー」自体は味があまりないため、料理にそのままかけたり、小麦粉やじゃがいも、パン粉などの代わりに使うことでダイエット効果が期待できると話題になりました。蒸しパンやポテトサラダをはじめ、幅広いレシピに活用できることからも注目されています。

2019年はどうなる?食トレンド予測

クックパッド編集部が、2019年のトレンドを大胆予測!
ブームの兆しが見える、7つの食キーワードをピックアップしました。

【イメージ写真】自家製「和の発酵食」

自家製「和の発酵食」

味噌や甘酒、漬物など、日本独自の発酵食が、その効果・効能から“スーパーフード”として海外で注目を集めています。国内でも発酵食レストランや専門店ができ、再び人気が高まっています。今後は「梅仕事」ブームの流れも受けて、自宅での発酵食作りが流行りそうです。

【イメージ写真】ひよこ豆レシピ

ひよこ豆レシピ

中東料理の「フムス」や、「ファラフェル」が代表的。健康志向の高まりとともに、中東料理のブームもあり、外国生まれの豆料理を家庭で楽しむ人が増えそうです。2020年のオリンピック開催が近づくにつれ、訪日外国人向けのハラルフード (※2) としても注目を集めるでしょう。

【イメージ写真】パネチキン

パネチキン

トマトクリームソースがかかったフライドチキンを、バゲットの器に入ったチーズにたっぷり絡めて食べる韓国料理です。そのSNS映えするビジュアルから話題に。2017年に大流行した「チーズタッカルビ」の次に来る韓国グルメと目されています。

【イメージ写真】ドライフルーツブラウニー

ドライフルーツブラウニー

ブラウニーの上に好きな形のビスケットをのせて焼く「ビスケットブラウニー」を、大人好みに進化させた「ドライフルーツブラウニー」。宝石のような美しい色合いや、フルーツの酸味が効いたブラウニーは、バレンタインに作りたくなるチョコスイーツとして人気を集めそうです。

【イメージ写真】スパイスカレー

スパイスカレー

大阪の飲食店で人気に火が付いた「スパイスカレー」は、一皿にカレーを数種類盛り、上に色とりどりの副菜をのせた創作料理です。従来のスパイスカレーと異なり、見映えの良さが特長。今後は、家庭でもいろんな味を一度に楽しめる、この盛り付けスタイルが人気になりそうな予感。

【イメージ写真】新野菜(ビーツ、ケールなど)

新野菜(ビーツ、ケールなど)

外食で目にする海外産の変わった野菜も、近年はスーパーで手に入るようになりました。「ビーツ」は“食べる輸血”と言われるほど、ミネラルやビタミンCが豊富。「ケール」は“野菜の王様”と呼ばれ葉酸を多く含み、青汁の原料にもなっています。サラダやスムージーにして楽しむ人が増えそう。

【イメージ写真】バスクチーズケーキ

バスクチーズケーキ

スペイン・バスク地方のサンセバスチャンのお店にルーツがあるチーズケーキ。表面が黒く焦げているその見た目や、濃厚なチーズと焦げが口の中で溶け合っておいしい!と、SNSで話題に。2018年に専門店が日本でもオープンし、ますます注目度が高まりそうです。

 2019年はこうなる!

伝統食材を使った進化系レシピと、海外から来た新食材レシピに注目!

2019年は、2018年と同様にアメリカやフランスをはじめとした海外のヘルシーブームの流れを受け、人々の「健康志向」がますます高まる年になるでしょう。海外で注目されている「和の発酵食」が、海外の食文化と融合して、これまでになかった新しいレシピを生み出すかもしれません。

和食文化が2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されて以来、和食は世界各国から注目を集めています。特に、2018年には国内でも農林水産省が『Let’s!和ごはんプロジェクト』を推進するなど、和食の新たな価値を再発見しようという気運が高まっているので、2019年もこの流れに乗り、発酵食ブームに新展開が期待できそうです。

また、2019年はプレ・オリンピックイヤーなので、訪日外国人向けの食に注目が集まるでしょう。「ひよこ豆レシピ」や「新野菜」を使った海外の料理が、日本国内でもブームになりそうです。どちらも身体に良い食材なので、先に挙げた健康志向の流れとも合致するでしょう。

SNS映えする料理は引き続き人気なので、「パネチキン」「ドライフルーツブラウニー」「スパイスカレー」「バスクチーズケーキ」のように、SNSを通じて写真や口コミが広がっていく料理は2019年も注目を集めそうです。

植木優帆

『食トレンド大賞2017』は こちら

※1 たべみるとは

日本最大の料理レシピサービス「クックパッド」の検索・アクセスログデータを活用した、明日の食が見えるビッグデータサービスです。食材・地域・季節・食用シーン(誕生日や運動会など)といった様々な切り口で分析を行うことができます。本リリースは、2018年1月1日~11月15日にクックパッドで検索された約10万種類の検索語を対象に分析したものです。詳細につきましては、トレンド調査ラボ(tabemiru-support@cookpad.com)までご連絡ください。
【たべみるについて】 https://info.tabemiru.com/

※2 ハラルフードとは

イスラム教の教えで、食べてよいとされている食べ物のこと。

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