食トレンド大賞2019

クックパッド株式会社は、2019年「食トレンド大賞」を選出しました。今回のトレンドは、クックパッドの検索データ分析ツール「たべみる」(※)や「クックパッドニュース」のアクセス数などのデータをもとに、今年を代表する家庭料理のトレンドキーワードを選出したものです。後半では、クックパッドニュース編集部が予測する2020年の食トレンドもご紹介しています。

今年の大賞に輝いたのは「下味冷凍の肉おかず」です。肉や魚など、素材に調味料を合わせ、保存袋などの袋や容器に入れて冷凍保存しておく「下味冷凍」は、作りおきブームの中で2016年ころから注目されはじめ、今年ついに大賞を獲得。その人気の理由は、便利さにあります。調理前の下処理をすませているため、あとはそのまま加熱するだけ。日持ちし、かつ準備時間もほぼかからないため、忙しい平日のごはん作りを楽にしてくれるアイテムとして重宝されています。また、今年は増税直前の9月末に食材のまとめ買い需要が高まり、「下味冷凍」をする人が増加。中でもヘルシーでリーズナブルな鶏肉を中心とした肉おかずの保存が注目を集めました。
今や全国各地でイベントやフェスが開かれるほど人気を見せている「パン」。空前のパンブームとも言われており、その需要の高さは日本人の主食である米をしのぐ勢いを見せています。そんな中、近年話題になっているのが程よい弾力とふわっとした食感が特徴の「生食パン」です。全国に専門店がいくつも登場し、そのおいしさにはまる人が続出。生食パンはお店で買うに留まらず、自宅でも再現をしようと調理する人が増えました。食パンという日常の食事を少し豪華にして楽しむ傾向にあるようです。

「献立のシンプル化」と「一点ごちそう主義」が主流に

2019年の家庭の食トレンドは、大きく3つのポイントが読み取れます。

1つ目は、節約や時短・簡便ニーズなどを受けて「献立のシンプル化」傾向が高まりました。今年のトレンド大賞に選ばれた「おかず味噌汁」や「ごちそうおにぎり」は、ここ数年で表れてきたメニューキーワードです。

仕事で疲れて料理をする気になれない、子育てに追われて料理をする時間がとれない、自分だけのために食事を作るのは面倒。「食べること」が大切だとわかっていても、おろそかになってしまいがちな毎日の料理。

そんな毎日の食事づくりが負担になりがちな中で、毎食しっかり作らなくても良いのではという生活者の思いが、一汁一菜を楽しむ流れを作り出しているともいえます。

特に「おかず味噌汁」は昨年の12.2倍の勢いで検索頻度を伸ばしています(グラフ)。汁物でありながらおかずの要素も備えている「おかず味噌汁」は、具材も多様化してきており、「レタス」「トマト」「ズッキーニ」などの洋食材や「厚揚げ」「豚バラ肉」などのボリューム食材などが、味噌汁と一緒に検索されています。

2つ目のポイントは、節約や時短は当たり前だけれど、ちょっとのこだわりを楽しみたいという生活者の傾向です。昨年頃から人気が高まっている「生食パン」は、日常の食パンを少し贅沢して楽しみたいという「一点ごちそう主義」の傾向が見られました。前項で触れた「ごちそうおにぎり」も、具材は豪華にしてみるといったこだわりがうかがえます。

また、見せることを意識した映え料理やアレンジ料理から、自分に合っているものや自分の食べたいものへ視点がシフトをしてきているのも近年の特徴ではないでしょうか。

3つ目のポイントは、「がんばらない丁寧なくらし」です。昨年の食トレンド大賞にも選ばれた「梅シロップ」や「梅ジュース」の検索頻度は、今年も上昇を続けています。忙しい中にも、手間のかかる手仕事料理を取り入れることで、生活のゆとりや癒やしとして料理を楽しみたいという傾向は昨年から変わりません。

また、梅干しやぬか漬けでは、専用の道具を揃えて作るのではなく、保存袋など家庭にある道具を有効活用する人が増えています。ちょっとした手仕事を現在の生活スタイルに合った形で取り入れ、楽しむ人が増えているように思います。

令和という新時代の幕開けは、日本の文化・食が再認識され、日本の料理や旬の食材などが、再び注目されるきっかけにもなることが予想されます。

クックパッドに存在する約320万品(2019年9月30日時点)のレシピには、生活の知恵が潤沢にあります。日々の生活の“課題解決”と“楽しみ”という側面はもちろん、個々のニーズに合わせて多面的にクックパッドを活用していただけたらと思います。

※検索頻度(SI):Search Indexの略で、1000回あたりの検索頻度のこと。

※2019年の値は期中のため未確定値です。

クックパッドニュース編集部が、2020年のトレンドを大胆予測!
ブームの兆しが見える、8つの料理キーワードをピックアップしました

いよいよオリンピック・イヤー!海外の食文化がますます広がりそう

人気スイーツ「チーズケーキ」の新しいレシピや、ヘルシーブームの流れを受けた「プロテインシェイク」、近年家庭でも課題意識のある「食品ロス」など、2020年に話題になりそうな8つのキーワードを選出しました。

その中でも注目しているのは、海外からやってきたレシピです。2020年は、2019年に話題になったアジアをはじめとする海外のレシピが、引き続き人気を集める年になると予測しています。例えば、2019年の食トレンドに選ばれた「タピオカ」は、ミルクティーのトッピングなどで台湾で親しまれているものが、日本に上陸し社会現象化するほどのブームになりました。

2020年は、台湾の朝食「シェントウジャン」、韓国の屋台おやつ「チーズボール」、中国はじめアジアで飲まれている「すいかジュース」など、SNSや若者が注目しているレシピがトレンドになっていくでしょう。

2020年はオリンピック・イヤーなので、訪日外国人が自国の食文化を日本に持ち込んだり、オリンピックで活躍した選手のお気に入りのレシピが話題になったり、ということもありそうです。

『食トレンド大賞2018』は こちら
※日本最大の料理レシピサービス「クックパッド」の検索・アクセスログデータを活用した、明日の食が見えるビッグデータサービスです。食材・地域・季節・食用シーン(誕生日や運動会など)といった様々な切り口で分析を行うことができます。本リリースは、2019年1月1日~11月15日にクックパッドで検索された約12万種類の検索語を対象に分析したものです。詳細につきましては、トレンド調査ラボ(tabemiru-support@cookpad.com)までご連絡ください。
【たべみるについて】 https://info.tabemiru.com/
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