2026年はこれに注目!
健康・時短一汁三菜ボウル

主食も主菜も汁物も、
ワンボウルで自分をいたわる新習慣
2026年の注目トレンド「一汁三菜ボウル」は、増加する単身世帯のライフスタイルにぴったりの新しい食のスタイルです。
これまで家庭料理といえば「家族のため」「誰かのため」が中心でしたが、「自分のために作る、自分をいたわる料理」へのニーズが高まっています。疲れて帰宅した夜、外食やテイクアウトに頼りすぎず、ササっと作れて心も体も満たされる料理として、一汁三菜ボウルが静かに広がっています。
特徴は、一つの器に主食・主菜・副菜・汁物の要素を全て盛り込むスタイル。ご飯の上にお刺身をのせて出汁をかけた鯛茶漬け風、野菜たっぷりの出汁カレーご飯、温泉卵のせ肉味噌丼など、クックパッドでもレシピが増加中。薬味やハーブ、上質なオリーブオイル、ナッツなど、ちょっとした「ご褒美食材」を効かせることで、簡単なのに特別感のある一品に仕上がります。
洗い物は器一つ、栄養バランスは完璧、見た目も美しく満足感も十分。「今日もよくがんばった自分へ」という気持ちを込めて作る時間自体が、明日への活力に。一汁三菜ボウルは、自分をいたわる新しい食習慣として、現代の食卓に定着していきそうです。
ビリヤニ

カレーの次はビリヤニ!
スパイス香る炊き込みご飯時代の到来
スパイスカレーブームの次なる主役として、「ビリヤニ」が日本の食卓に本格上陸しそうです。
ビリヤニは、インドやパキスタンなど南アジアの炊き込みご飯。肉や魚、野菜をヨーグルトでマリネし、バスマティライスと交互に重ねて炊き上げる、手間と愛情がたっぷり詰まった料理です。すでにスパイス・カレー専門店では定番メニューとなり、ビリヤニ専門店も続々オープン。百貨店のカレーフェスや大阪・関西万博でも、ビリヤニ店には長蛇の列ができる人気ぶりです。
近年、料理に「香り」を求める傾向が強まっています。レモングラス、パクチー、スパイス全般など、香りで食欲を刺激し、食事体験を豊かにする料理が支持される中、ビリヤニはまさにその頂点。炊き上がった時の複雑なスパイスの香り、蓋を開けた瞬間に広がる香りは、食卓を特別な空間に変えてくれます。
2026年は市販のビリヤニキットが各社から発売され、フライパンや炊飯器で作れる簡単レシピも登場。日本流のアレンジも生まれています。週末のちょっとしたパーティーや記念日に、香り高い特別な一品として。カレーの次はビリヤニ。香りで魅せる新たな食文化が花開きそうです。
フュージョン薬膳

難しい生薬は不要!
いつもの料理で内側から整える
2026年の注目トレンド「フュージョン薬膳」は、中医学に基づく薬膳の考え方をベースにしながら、和食やイタリアン、フレンチなど、さまざまな料理ジャンルと融合させる新しい食のスタイルです。
2025年春には薬膳がテーマの漫画を原作にしたテレビドラマが放映されたり、書店には薬膳レシピ本が並ぶなど、薬膳への関心が着実に高まっています。2026年はこの流れがさらに進化し、中華薬膳とは一線を画す「フュージョン薬膳」が本格化。難しい生薬を使わず、スーパーで手に入る食材で、見た目は普通の料理なのに薬膳の効能を持ちおいしく整える、まったく新しいアプローチが広がっていくでしょう。
クックパッドでの「薬膳」検索頻度は前年比132.1%と伸長中ですが、2026年はさらに加速する見込みです。注目は検索キーワードの変化。「薬膳」は本来、病気を防ぐための食養生と、体の不調を整える食療の両方を担うもの。最近では、その知恵がより身近に取り入れられ、「美肌」「むくみ」「腸活」といった日常的な健康維持や美容関連の検索が主流となり、薬膳は「不調時の対処」から「毎日の美と健康づくり」へと進化しています。
クコの実を散らしたカプレーゼ、生姜たっぷりの和風パスタ、黒きくらげの炊き込みご飯。一見いつもの料理に薬膳の知恵を取り入れる「フュージョン薬膳」が、外食から家庭料理まで浸透。おいしく食べて内側から整える、薬膳の新時代が幕を開ける一年となりそうです。
煮込まないスープ

火を使うのは10分だけ!
猛暑でも作れる軽やかスープ
2026年の注目トレンド「煮込まないスープ」は、連日の猛暑に対応した新しいスープスタイルです。
記録的猛暑が続く日本の夏。キッチンに立つ気力も体力もない時でも、栄養はしっかり摂りたい。そんなニーズに応えるのが「煮込まないスープ」です。火の通りやすい食材にサッと火を通すだけ、10分ほどで完成。長時間煮込まないから栄養素の損失も最小限で、暑い日でも食べやすいあっさりとした味わいが特徴です。
日本の夏が亜熱帯化する中、東南アジアの食文化が急速に浸透しています。ココナッツミルクとレモングラスが香るタイの「トムカーガイ」、魚の旨みが効いたミャンマーの「ヒンガー」など、現地では定番の「サッと作るスープ」が日本の食卓でも身近な存在に。これらは元々暑い国の知恵が詰まった、理にかなった調理法なのです。
クックパッドでのスープ検索でも「暑い」「冷製」「薬膳」といったキーワードとの組み合わせが上昇傾向。豆腐と卵の中華風かきたま汁、トマトとバジルの冷製スープ、レモングラスと鶏肉のエスニック風など、短時間調理でも満足感のあるレシピが続々登場。日本の夏に煮込まずにおいしい、新しいスープ文化が定着しそうです。
空心菜

トマトより空心菜?
猛暑時代の新・夏野菜スタンダード
2026年の注目トレンド「空心菜」は、猛暑時代の救世主となる夏野菜として、食卓の定番になりそうです。
これまで中華料理店でしか見かけなかった空心菜が、スーパーの野菜売り場で普通に並ぶようになってきました。クックパッドでの検索頻度も年々上昇中。その背景には、深刻な夏野菜不足があります。猛暑の影響で、トマトやキュウリなど従来の夏野菜の生育が不安定になり、価格も高騰。そんな中、熱帯アジア原産の空心菜は高温多湿な環境でこそ元気に育ち、価格も安定しているのです。
家庭菜園でも大人気。プランターでも簡単に育ち、摘心すれば何度も収穫できるため、「育てて食べる」楽しさも味わえます。茎のシャキシャキ感と葉の柔らかさが絶妙で、鉄分やカルシウム、ビタミンなど栄養価も豊富。暑さでバテがちな夏の体にぴったりの野菜です。
定番の炒め物はもちろん、生でサラダ、浅漬けやナムル、スープの具材など、意外と使い勝手が良いのも魅力。来年は空心菜が、夏野菜の新定番として完全に定着する年になるでしょう。
サゴ

プチプチ食感がたまらない、
SNSで話題の東南アジアスイーツ
タピオカブームの次を担う新食感デザートとして、「サゴ」が若い世代を中心に注目を集めています。
SNSで「食感動画」が何百万回も再生される時代。もちもち、ぷるぷる、プチプチといった「食感」そのものを楽しむことが、若者にとって重要な食体験となっています。その最新トレンドがサゴです。東南アジアのサゴヤシ由来のデンプンを球状に加工したもので、加熱すると透明になり、プチプチとしたもちもち感が楽しめます。
日本では香港発祥の「楊枝甘露(ヨンジーガムロ)」、別名「マンゴーポメロサゴ」が火付け役となりました。マンゴーとグレープフルーツ、ココナッツミルクにサゴを合わせた絶妙な組み合わせは、見た目の美しさと食感の楽しさで大人気。SNSではサゴを自宅で作る動画が話題となり、「噛む」「弾む」「つるっと」という複数の食感を一度に楽しめる点が、食感重視世代を虜にしています。
日本でもサゴヤシ由来のサゴが手に入りますが、代用品として手に入りやすい小粒のパールタピオカが使われることも多く、2026年はサゴを使ったデザートがさらに多様化の兆し。サゴ入りドリンクやパフェなど、食感を重ねる新しい楽しみ方も登場しそうです。「食べる」より「食感を楽しむ」世代が、サゴで新たなデザート文化を作り出すでしょう。
海藻

健康・美味・環境の三拍子、
海の野菜が主役の時代
日本で古くから親しまれてきた海藻が、新たな食材として注目を集めています。
これまでワカメ、昆布、海苔など限られた種類が中心だった海藻ですが、陸上養殖技術の発展により、アカモク、ダルス、ウミブドウなど多様な海藻が身近になりつつあります。百貨店では「海藻フェア」が開催され、レストランでも海藻を使った新しいメニューが登場。パスタやサラダ、スムージーなど、和食以外への活用も広がっています。
海藻が注目される背景には、健康面と環境面の両方があります。「海の野菜」と呼ばれる海藻はミネラルや食物繊維が豊富で、腸活食材としても人気。さらに栽培時の環境負荷が少ないことから、「おいしい」だけでなく「環境に配慮した食材」を選びたい消費者のニーズにも合致しています。
海外でも海藻は「サステナブルな食材」として研究開発が進んでおり、プラントベース食品の新たな原料としても期待されています。2026年は、日本の伝統的な海藻食文化と、新しい価値観が融合し、海藻がより身近で多様な食材として定着していく年になりそうです。
撮影:平瀬夏彦
フードスタイリング:高橋ゆい
- *検索頻度(SI):Search Indexの略で、1000回あたりの検索頻度のこと。
- *2025年の値は期中のため未確定値です。
2026年の見通し
正解は一つじゃない、
自由で楽しい食の新スタンダード
2026年の食トレンドは、世界の食文化を日本流にアレンジする楽しさと、自分を大切にする食の喜びが花開く年になりそうです。
大きな特徴は、世界の料理が「特別なもの」から「我が家の定番」へと変化していくことです。「ビリヤニ」は週末に本格的にスパイスを重ねる人もいれば、平日は炊飯器で手軽に作る人も。それぞれのライフスタイルに合わせた楽しみ方が共存し、正解は一つじゃないという自由さが食卓を豊かにしています。「煮込まないスープ」や「空心菜」も、暑い夏を乗り切る知恵として自然に定着。もう「エスニック」ではなく、日本の家庭料理の新しい仲間です。
単身世帯が増える中で見つけた新しい価値観も印象的です。「一汁三菜ボウル」は、誰かのためではなく自分のために作る、小さな幸せの時間。疲れた夜に自分をいたわる一杯が、明日への活力になる。「フュージョン薬膳」も、難しく考えず、今日の体調に合わせてクコの実を散らしたり、生姜を効かせたり。美味しく食べて元気になる、そんな当たり前の幸せを再発見しています。
新しい食材との出会いも、毎日をワクワクさせてくれます。「海藻」はアカモクやダルスなど、知らなかった種類がスーパーに並び、それぞれの食感を楽しむ新しい発見。「サゴ」のプチプチ透明な見た目に、作ってみたい!と心が動く。SNSで見つけた料理を、我が家流にアレンジする楽しさが広がっています。
2025年が制約を工夫で乗り越えた年だとすれば、2026年はその工夫が「楽しい日常」として定着する年。世界の知恵を取り入れながら、日本の家庭ならではの温かさと愛情を加える。本格派も時短派も、みんなそれぞれの方法で食を楽しむ。
「今日は何を作ろうかな」と台所に立つ時間が、小さな幸せを生み出すます。世界と日本がおいしく出会い、毎日の暮らしがもっと豊かで楽しくなる。それが2026年の食トレンドです。
- クックパッド株式会社 広報部 本部長
- 小竹 貴子
選定基準
食トレンド大賞は、利用者数No.1のレシピサービス「クックパッド」の検索・アクセスデータ*1 や、ニュースメディア「クックパッドニュース」*2、SNS、各種メディアで話題となったトピックス、有識者が注目する動向などを元に、クックパッドが独自に選出しています。
- *1:クックパッド 食の検索データサービス「たべみる」
https://ad.cookpad.jp/tabemiru
利用者数No.1の料理レシピサービス「クックパッド」の検索・アクセスログデータを活用した、明日の食が見えるビッグデータサービスです。食材・地域・季節・食用シーン(誕生日や運動会など)といったさまざまな切り口で分析を行うことができます。 - *2:ニュースメディア「クックパッドニュース」
https://news.cookpad.com/
「料理って、おもしろい。」をコンセプトにした月間PV約3500万、SNSの累計フォロワー数約970万人の料理ニュースメディアです。2014年にスタートし、レシピ紹介記事をはじめ、食の専門家による寄稿コラムやインタビュー記事、SNSやエンタメ業界の料理トピックなど、毎日の料理を楽しみにする情報を発信しています。自社サイトのほかLINE NEWSやYahoo!ニュース、SmartNewsをはじめとしたさまざまな外部メディアやプラットフォームにも記事を配信しています。
メディア掲載実績
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- 2025-11-28
- 九州朝日放送「アサデス。KBC」食トレンド大賞2025・食トレンド予測2026が紹介されました。
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- 2025-11-27
- フジテレビ「めざましテレビ」食トレンド大賞2025・食トレンド予測2026が紹介されました。
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- 2025-11-27
- FBS福岡放送「バリはやッ!」食トレンド大賞2025・食トレンド予測2026が紹介されました。
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- 2025-11-27
- 日本テレビ「ZIP!」食トレンド大賞2025・食トレンド予測2026が紹介されました。
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- 2025-11-27
- TBS「ひるおび」食トレンド大賞2025・食トレンド予測2026が紹介されました。
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- 2025-11-27
- TBS「Nスタ」食トレンド大賞2025・食トレンド予測2026が紹介されました。
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- 2025-11-26
- NHK「首都圏ネットワーク」食トレンド大賞2025・食トレンド予測2026が紹介されました。
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- 2025-11-26
- 名古屋テレビ「ドデスカ+」食トレンド大賞2025・食トレンド予測2026が紹介されました。