クックパッド株式会社は、2017年「食トレンド大賞」を選出しました。今回のトレンドは、クックパッドの検索データ分析ツール「たべみる」 ※1 やクックパッドニュースのアクセス数などのデータをもとに、今年を代表するおうちごはんのトレンドキーワードを選出したものです。後半では、クックパッド編集部が予測する2018年の食トレンドもご紹介しています。
2017年、もっとも注目を集めたのが、韓国で人気の料理「タッカルビ」です。鶏肉と野菜に甘辛い味噌を和え、鉄板で焼いたもの。そこにチーズをのせた「チーズタッカルビ」が更に話題となりました。美味しさはもちろんですが、リーズナブルな鶏肉を使うことで家計にも優しいことや、調理工程が少なく“時短ニーズ”にも応えてくれるなど、さまざまなライフスタイルのニーズに応える料理として、外食店舗をはじめ、SNSやテレビ、書籍など幅広い業界を巻き込んだブームとなりました。
餃子をくるくると巻いて「薔薇ぎょうざ」、薄くスライスしたりんごをくるくる巻いて「薔薇アップルパイ」など、様々な料理を薔薇の花に見立てて作ったもの。その見た目のかわいらしさとキャッチーなネーミングから、料理動画やSNSなどで話題を集めました。マンネリ化しがちな定番メニューも、くるくる巻くだけで簡単に華やかになり、楽しむことができる点が特徴です。
トーストをキャンバスに見立てて、様々な食材でアートを施す「トーストアート」。考案したのが、クックパッドのレシピ作者「NAYOKO☆054さん」。SNS上で投稿する人が続出したほか、TVや書籍などを通じて話題になりました。身近な“トースト”を使って気軽に楽しめることや、飽きさせないバリエーションの多さから、多くの女性に支持されています。
フライパンや鍋ひとつでできる「ワンパン料理」は、調理方法がシンプルなものが多いだけでなく、洗いものも少なく済む点が忙しい方にも支持されたポイントです。また、フライパンのまま出してもオシャレな食卓を演出できます。クックパッドでは、昨年末からじわじわと検索頻度が高まっていた「ワンパン」、4月時点では昨年同月比で約22倍となるなど、関心が高まりました。
りんごなどの果物をスライスし、断面が層になるように敷き詰めて焼くフランス発祥のケーキ「ガトーインビジブル」。焼くことによってスライスした果物が生地と同化して見えなくなることが語源といわれています。雑誌で紹介されたことをきっかけに、その断面の美しさがSNSなどで話題になりました。作り方は簡単で、最近ではスイーツだけでなくお食事系の新たなレシピも登場しています。
昨年から引き続きブームとなっている「糖質制限ダイエット」。今年も、炭水化物の摂取量を制限したいというニーズの高まりを背景に、低糖質の市販品や外食店での低糖質メニューなど、様々な業界を巻き込むことでさらに注目を集めました。クックパッドでも、低糖質を意識し、ごはんや麺類、小麦粉などの炭水化物を別のものに置き換えるレシピが注目されました。
パクチーを代表としたエスニックフードのブームは昨年から続いていますが、エスニック料理を提供する店舗の増加や、市販食品が発売され、パクチーは家庭でも気軽に食べることができるようになりました。日本では長らく「薬味」としての存在だったパクチーの人気が高まり、最近ではパクチーサラダを筆頭にパクチー鍋、パクチーカクテルなどさまざまなメニューが登場し、食卓における「主役」にもなっています。
エスニックに続き、中東料理も注目されています。その中でも、スパイスの効いたトマトソースで卵を煮込んだイスラエルの家庭料理「シャクシュカ」が、中東料理という珍しさと、スキレットで調理すれば、そのまま食卓に出してオシャレな食卓を演出できることなどから話題となりました。クックパッドでも、9月の検索頻度が昨年同月比で約5倍となるなど、日本の女性たちの間でも関心が高まり、海外で流行のメニュー・食材が家庭食に積極的に取り入れられている様子が伺えます。
美容や疲労回復に効果があるといわれ、昨年のおうちごはん番付 ※2 にも選出された「甘酒」。甘酒にはビタミンB1や食物繊維、オリゴ糖など、体によいといわれる栄養が含まれ、様々な健康効果が期待できるスーパードリンクと言われています。テレビ、書籍化など幅広い業界を巻き込んだブームとなりました。
カラフルで華やかな印象をもつ、ドーナツ状の寿司「寿司ドーナツ」。クックパッドでは5月の“こどもの日”前後に検索頻度が急上昇しました。オーストラリアの料理研究家が考案したレシピで、その可愛さから海外でも人気と話題をよびました。
旬のとうもろこしを芯までまるごと一本使った「とうもろこしご飯」。見た目も鮮やかな“夏の炊き込みご飯”です。クックパッドでも毎年人気のレシピですが、大胆な作り方と圧巻の見た目がSNSを中心に話題となったほか、クックパッドニュースでの掲載やテレビ番組でも取り上げられ今年は更に注目が高まりました。
水飴などを使い、中央の空洞にアラザンやチョコレートなどを詰めた「シャカシャカクッキー」。クッキーを重ね合わせる構造になっていて、振るとシャカシャカと中身が動く仕組みになっています。クックパッドでは、2月のバレンタイン前後に検索頻度が急上昇しました。原型になった「ステンドグラスクッキー」も引き続き注目です。
おかずをご飯の上にのっけるだけで完成する「のっけ弁当」。お弁当のおかずを小分けに詰める必要なく時短につながり、おかずをのせるだけで見栄えも良くなることが支持されました。クックパッドでも2017年4月の検索頻度が昨年同月比で約5倍に上昇しました。
昨年のおうちごはん番付 ※2 にも選出された「無限◯◯」。「無限ピーマン」がSNSをきっかけに一気に拡散しました。使う材料が少なく、切って混ぜて電子レンジでチンするだけというレシピの汎用性の高さから、きのこ、なす、もやしなど、ピーマン以外の派生レシピも数多く生まれ、不動の人気となっています。
老舗フルーツパーラーや喫茶店などで提供され、昔ながらの軽食というイメージが強い「フルーツサンド」。今年はフルーツサンド専門店のOPENなどをきっかけに、クックパッドでも検索頻度が上昇しました。最近ではカフェやコンビニでも見かけるようになり、サンドイッチの定番メニューとなりました。
旬の梅を梅干しや梅酒に加工する「梅仕事」。店頭に青梅が並びはじめる6月頃に、保存瓶などのアイテムがたくさん陳列されたコーナーを目にすることも多くなりました。手作りの梅酒や梅干しがなくても困らない中で、「ていねいな暮らし」「趣味として料理を楽しむ」といったことを大切にする人も増えており、再注目されているようです。
焼かずに作れるチーズケーキは、基本的に全ての材料を混ぜて冷やすだけ。簡単な手順で作れるので失敗も少なく、本格的なスイーツができることで支持されました。クックパッドでは年々検索頻度が上昇しており、特に2月のバレンタイン前後には急上昇しました。
ミルフィーユ鍋やピエンロー鍋など、毎年流行のある鍋料理ですが、今年の注目鍋は「無限ゴマ油鍋」。「無限◯◯」の系譜をつぐレシピのひとつで、ごま油で食材を炒めて、鶏がらスープを注いで煮込む鍋です。調理工程も調味料もシンプルですが、野菜はしっかり摂りたいという忙しい人の心を掴んで今年、注目されました。
ご飯を丸めて海苔で巻き、切れ目を入れて具材を詰めるだけの手軽さと美しい見た目で人気を集めている「パッカンおにぎり」。以前ムーブメントになったおにぎらずやスティックおにぎりに続き、今年のトレンドおにぎりは、フォトジェニック且つ、アレンジの幅が広いことが人気となったポイントです。
US発で注目されたヨーグルトを使ったアイスクリーム「ヨーグルトバーク」。日本でも、流行をいち早くキャッチした人たちが、次々と手作りしてSNSへ投稿されました。ダイエット中の人でも食べられるスイーツとして注目されています。
今年の流行語大賞にもノミネートされている“インスタ映え“ですが、毎日の料理では見栄えに何かの特徴をかけ合わせた“インスタ映え×◯◯“がトレンドの主流と感じます。例えば、今回大賞に選ばれた『チーズタッカルビ』は“インスタ映え×シズル感“。インパクトのある見た目はもちろんのこと、チーズがぐつぐつ煮えているおいしそうな“シズル感“が続々と投稿され、外食店舗や書籍化など様々な業界でも注目されました。
準大賞の『薔薇◯◯』や『トーストアート』は、“インスタ映え×アレンジ“。個性を出すことができる料理として、実践してみる方も多かったようです。
また、毎日の料理となると、時短や簡単をキーとして「効率」が求められます。そんな中では“インスタ映え×時短・簡単“なメニューも人気でした。今回準大賞に選ばれた『ワンパン料理』は、フライパンひとつで簡単に定番料理ができるもの。そのまま食卓に出すことができ、洗いものが少なく済みます。
近年はSNSの普及で生活に密着した情報交換が行われており、「日々の料理」への関心は老若男女を問わず高まっています。クックパッドに存在する約280万レシピという圧倒的な数の“アイデア“を是非楽しんでいただければと思います。
クックパッド編集部が、2018年のトレンドを大胆予測!
ブームの兆しが見える、10の食キーワードをピックアップしました。
ユネスコ無形文化遺産に登録されたほか、健康的で理想的な食生活スタイルとして注目を集めています。また、和菓子をデコレーションした写真をSNSにアップする人も増えており、和菓子が若者にも身近な食べ物になると注目しています。
ベルギー生まれのロータスビスケットをのせて焼いた「ロータスブラウニー」が、レトロな愛らしさでSNSで人気沸騰となりました。2018年、進化版として注目している「ビスケットブラウニー」は好きなビスケットでオリジナリティを出せ、幅広いアレンジが生まれそうな予感。
厚く焼くパンケーキから、薄く焼いて好きな具材をのせて食べるパンケーキへ進化。野菜をのせてヘルシーに食べたり、フォトジェニックでカラフルに変身させることができるなど、アレンジの幅が広いことで人気となりそうです。
ラグジュアリーなアウトドア体験が楽しめる「グランピング」ブームが継続し、"手軽さ"や"女子会"をキーワードに、料理も含めて楽しめるアウトドアが引き続き人気となりそうです。
ベジホリックという言葉やベジヨーグルトやベジラテなど野菜を取り入れた商品が登場。「週末だけベジタリアン」「飲みすぎた翌日はベジタリアン」などライフスタイルに合わせた「ゆる〜いベジタリアン」に注目です。
野菜や豆を使ったヘルシー料理が多い「中東料理」が本格的なブームになる予感。海外セレブやハリウッドスターがダイエット食として愛用し、その高い栄養価とヘルシーさに注目が集まっています。
エスニックフードブームが継続し、バインミー専門店も都内に進出しています。話題性もあり、ちょっとした非日常を味わいたいという心理を刺激するサンドイッチの新ジャンルとして注目しています。
世界的に「フードロス」問題への意識が高まっています。日本のフードロスのうち約半分が家庭で発生しているといわれることから、家庭内でフードロス問題意識が広まりそうです。
インドを中心とした南アジアで古くから作られている「ミラクルオイル」。イギリスの有名誌が「世界で最も健康的な食品50」に認定しており、日本でもスーパーで手に入るようになったため、さらに注目が集まると予想しています。
帰宅が遅い家族のための食事(あと出ししても美味しいごはん)。2016年に選出されている"作り置き"の進化版として、冷めても美味しいごはんや、「あとで食べる人」にあわせて時間差で最後の仕上げをできる料理に注目しています。
2018年は、オリンピックムードの高まりと共に、ごはん・スイーツ問わず幅広く「健康」が色濃くでる年になりそうです。それに伴い『和食』は注目度が高まると思います。
さらに、野菜をおいしく・楽しく・効率的に食べることを意識する人が増えるでしょう。新しい品種の野菜が手軽に入手できるようになったり、野菜を使った新しいスタイルの料理が出てくるだけでなく、『ゆるベジタリアン』のような楽しみ方をされる人も増えると考えています。さらに、精神面の健康を考える人も増えるでしょう。家庭料理が与える「ホッとする安心感」を日常に取り入れるための料理への工夫や、『キャンプ飯』のように外で手料理を食べてリフレッシュするなど、食を通じて心と体のバランスをとるスタイルが流行りそうです。
また、SNS映えする料理は引き続き人気が集まると思います。そうした料理は「作る人の個性を出せるかどうか」が幅広い層に支持されるポイントなので、特にアレンジの余白がある料理に人気が集まりそうです。
最後に、来年は『フードロス』問題への関心がさらに集まるでしょう。日本でも大型スーパーが問題解決に向けて取り組みを開始するなど注目され始めていますが、余った食材をムダにせず「使い切る」意識が生活の中にさらに強く根付いてくると編集部は予測しています。おうちでフードロス問題に取り組むなら、クックパッドが活躍してくれるでしょう!
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