クックパッド株式会社は、2019年「食トレンド大賞」を選出しました。今回のトレンドは、クックパッドの検索データ分析ツール「たべみる」(※)や「クックパッドニュース」のアクセス数などのデータをもとに、今年を代表する家庭料理のトレンドキーワードを選出したものです。後半では、クックパッドニュース編集部が予測する2020年の食トレンドもご紹介しています。
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昨年発表した『2019年食トレンド予測』から「バスクチーズケーキ」が堂々の入選。表面を焦がしているのが特徴で、キャラメルのほろ苦さとクリームチーズのクリーミーな甘さが絶妙な人気スイーツです。2018年に専門店がオープンして以降、コンビニエンスストアでも発売されるなど、一気にその存在が世に知られるようになりました。家で作るレシピは、「簡単」と組み合わせて検索されることが多く、バスクチーズケーキを家庭でも作れるようにアレンジしたレシピが人気です。
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独特の食感とかわいい見た目から、10代の若者を中心に流行した「タピオカ」。2019年もその人気は衰えず、専門店には長蛇の列ができるほど。そんなタピオカをおうちでも楽しみたいというニーズが高まり、クックパッドでも検索数が上昇。主に、片栗粉を使った「手作りタピオカ風レシピ」や「市販の乾燥タピオカの戻し方」、それらを利用して作る「黒糖タピオカミルクティー」の検索が多く見られました。片栗粉を手でこねながら大量の小さなタピオカを作るため、親子で楽しみながら作れるのも人気を高めた要因のようです。
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「ごちそうおにぎり」の魅力はなんといっても、簡単なのに見た目が豪華なこと。大きめの具材がゴロゴロ入っているインパクトもあり、まさに“ごちそう感”満載。日常の食事を少し豪華にしたいという人々のニーズを満たしてくれるメニューです。具材には、炒り卵やキムチ、たこ、ブロッコリーなどを入れるため、従来のおにぎりより多様性があるところも高評価を得たポイント。同様に、炊き込みご飯も多様性が広まってきており、「ごはん=和食」のイメージを覆す料理の人気が高まっています。
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テレビ、書籍などでも取り上げられ、話題になった「おかず味噌汁」。味噌汁だけど汁物とおかず、両方の役割を備えている“お得感”で人気急上昇。おかずの代わりになるくらい具材をたっぷり入れることで、満腹感も得られるため、ダイエット食としても注目を集めました。クックパッドでは、「レタス」「トマト」「ベーコン」「ズッキーニ」などの洋食材や「厚揚げ」「豚バラ肉」「サバ缶」などのボリューム食材との組み合わせが伸長し、これまでの味噌汁の概念を変えるような斬新なレシピが次々と登場しました。
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ここ数年、手仕事への関心が高まっており、中でも旬の梅を梅干しや梅酒に加工する「梅仕事」が多く検索される傾向にあります。昨年の『食トレンド大賞2018』には「梅シロップ」が選出されていましたが、今年は保存袋での梅干し作りの検索が増加しました。梅干し作りのために道具を揃えるのではなく、家庭にある道具を用いて無理せず手仕事を楽しむ人が増え、年々、「梅仕事」が初夏の楽しみのひとつとして定着しつつあります。
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「炒めもの×卵」の組み合わせ検索は年々増加しており、今年は「卵炒め」というメニュー名が定着。見事トレンド入りを果たしました。大きく検索数を伸ばした背景には、共働き増加による、献立のシンプル化(品数減少)があります。一皿で野菜もタンパク質も取れ、満足感も得られるため、忙しい平日ごはんの一品として重宝されています。また、ここ数年で卵への意識も変わってきており、かつての「卵=コレステロール」「1日1個まで」など、卵への罪悪感がなくなったことも人気を伸ばしたポイントです。
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昨年の「悪魔のおにぎり」に続き、2年連続で『食トレンド大賞』ノミネート入りを果たした「悪魔」シリーズ。ごはんに天かす、麺つゆ、青のりなどが混ぜ込んであり、その味はまさに「悪魔的なおいしさ」です。そのキャッチーなネーミングからSNSやネットで話題沸騰。おにぎりは大手コンビニエンスストアでも商品化され、売り切れ続出の事態になりました。2019年はおにぎり以外にもトースト、豆腐などさまざまな悪魔シリーズが登場。特に「悪魔のチャーハン」はクックパッドニュースで取り上げた際も注目を集めました。
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2019年は激しい台風、度重なる豪雨など自然災害が多く、防災への意識が高まった年でもありました。そこで注目されたのが「非常時のレシピ」。ひとえに災害といっても、その種類や規模によって状況は異なります。そのため、クックパッドでは「停電で電気が使えないときのレシピ」や「食材が手に入りづらいときの非常食調理」「外に買い物に行けないときの作りおきレシピ」など、食材や道具が手に入らない非常時を想定した具体的なワードが多数検索され、さまざまな状況に応じたレシピに関心が集まりました。
クックパッドニュース編集部が、2020年のトレンドを大胆予測!
ブームの兆しが見える、8つの料理キーワードをピックアップしました
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根強い人気を誇る「チーズケーキ」と「半熟カステラ」を掛け合わせた、新ハイブリットスイーツ「半熟チーズケーキ」が、次なるブームとして注目されています。作りたては“ぷるんぷるん”に揺れるほど生地がとろとろ。ベイクドでもスフレでもないとろしゅわな食感が魅力で、半熟系スイーツファンの心を鷲づかみにすること間違いなし。
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台湾の定番朝ごはん。黒酢を入れた器に、温めた豆乳を一気に流し込むことで、酸がタンパク質を固める働きによって、おぼろ豆腐のようになります。以前からあった朝食ブームの流れと台湾人気がうまく合わさり、注目度が上がりました。2019年には専門店もでき、連日大盛況に。おうちで楽しめるレシピも続々登場しており、来年はさらに流行りそうな予感。
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近年問題になっている「食品ロス」。各家庭でも「食材を買いすぎない」「本来食べられる食べ物を捨てない」など、食品ロスを減らす試みをしている人が増えつつあります。そのため、今後はブロッコリーの茎、えのきの石づき、大根やにんじんの皮など、普段捨ててしまうところも“無理せずおいしく食べきる”レシピの需要が高まりそう。
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ドイツやオーストリアで親しまれている焼き菓子。「鹿の背」という意味で、かまぼこのような半円の細長い「レーリュッケン型」に生地を流し入れ、焼いていきます。今年の秋にテレビで取り上げられ、話題に。まだ日本であまりメジャーではないお菓子ですが、パウンド型などの一般的な型でも作れるので、情報感度が高い女性たちの間でバレンタインに流行りそう。
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韓国発の屋台グルメ。『食トレンド大賞2018』にも選出された「チーズハットグ」に続き、若者の間でブームになっています。一口食べると、生地の中に入っているチーズがびよ~んと伸びるので、ハットグと同じくインスタ映えします。専門店も登場していますが、家でも作りやすく、子どものおやつとしても人気が出そう。
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中国、台湾、タイなどアジアで幅広く飲まれている「すいかジュース」が、SNSを中心に人気拡散中。輸入食品店やコンビニなどで取り扱う店が増えており、2020年の夏はもっと盛り上がりを見せそう。スイカはカリウムなどのミネラルが豊富で、βカロテンやリコピンなども含んでいることから、美容意識の高い海外セレブの間でも注目を集めています。
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海外の朝食ブームの流れで、2013〜2014年ごろに流行った「エッグスラット」。時を経て今年9月、ついにLAの人気店が日本初上陸し、再び話題になっています。卵とじゃがいも、牛乳などで手軽に作ることができるため、日本の朝の食卓を席巻する可能性が大。パンと相性が良く、見た目に反してボリュームがあるので、男女問わず楽しむ人が増えそう。
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近年の「筋トレブーム」の流れをうけて「高タンパク」の料理が人気。これまで筋トレ上級者向けの飲み物だったプロテインは、若い女性などが気軽に飲むものに変わってきています。プロテインを溶かして飲むだけでなく、フルーツや野菜を加えてシェイクにしたものがブームになりそう。意識の高い海外セレブの間ではすでに流行となっているようです。
人気スイーツ「チーズケーキ」の新しいレシピや、ヘルシーブームの流れを受けた「プロテインシェイク」、近年家庭でも課題意識のある「食品ロス」など、2020年に話題になりそうな8つのキーワードを選出しました。
その中でも注目しているのは、海外からやってきたレシピです。2020年は、2019年に話題になったアジアをはじめとする海外のレシピが、引き続き人気を集める年になると予測しています。例えば、2019年の食トレンドに選ばれた「タピオカ」は、ミルクティーのトッピングなどで台湾で親しまれているものが、日本に上陸し社会現象化するほどのブームになりました。
2020年は、台湾の朝食「シェントウジャン」、韓国の屋台おやつ「チーズボール」、中国はじめアジアで飲まれている「すいかジュース」など、SNSや若者が注目しているレシピがトレンドになっていくでしょう。
2020年はオリンピック・イヤーなので、訪日外国人が自国の食文化を日本に持ち込んだり、オリンピックで活躍した選手のお気に入りのレシピが話題になったり、ということもありそうです。